名古屋高等裁判所金沢支部 昭和28年(う)115号 判決
記録によれば、被告人らが共謀の上原判示(二)の如く判示岡田儀太郎を介して判示松本伊作から供与を受けた金一万二千円の内金一万八百円は原判示(一)の如く被告人らが共謀して判示候補者に当選を得しめる為めに行つた饗応に使用した料理及び酒代の支払に充当する目的の金員であつたこと並に被告人らが右饗応を行う以前において、判示松本伊作から青木部落の選挙民に一杯呑ましてもらいたい趣旨の委頼を受けていたこと従つて、同委託の趣旨に基いて右饗応が為されたものであることの諸事実が認められるけれども、それだからと云つて、右(二)の金員被供与の行為が(一)の饗応行為に吸収され別に独立の犯罪を構成しない旨の所論を採用することは出来ない。何となれば公職選挙法第二百二十一条は同条所定の目的で選挙人又は選挙運動者を饗応する行為と同饗応の資金の供与又は交付を受ける行為とを共に犯罪として処罰する構造を有しているからである。それ故原審が、判示(一)並に(二)の各所為をそれぞれ公職選挙法第二百二十一条該当の独立の犯罪と認めて併合罪の規定を適用処断したのは正当であり、論旨は理由がない。